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グローバルもいいけど、ちゃんと探せば日本もまだまだ面白いと思うよ

ベンジャミン・バトン

      2015/07/13


最近はもっぱらネット漁って、本読んで、音楽聴いて、映画を観てるだけの毎日です。

「なんでそんな隠者みたいな生活してるの?」って言われても、他にしたいことがないんですよね。

 

そんなわけで映画の話でも書きます。 このブログ的には一切望まれてないでしょうが、どうせ書くこともないので。

 

今回見たのはタイトルどおりベンジャミン・バトン。

ベンジャミン・バトン公式: http://wwws.warnerbros.co.jp/benjaminbutton/


 

 

あらすじ

生まれた時に80歳くらいの体で生まれてきたベンジャミン。 時が経つにつれどんどん若返っていくベンジャミンの数奇な人生を描いた。らしい。

 

 

以下ネタバレ含みます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

まず「老人で生まれて時が経つごとに若返る」というトンデモ設定が何故生まれたか。

それはガトーという時計職人が第一次世界大戦で息子を亡くし、その悲しみから駅に設置される記念すべき時計を逆回りにして作った。 そしてその時計の完成と同時に生まれたベンジャミンは時が逆行した人生を送る。

 

という説明なのですが、ここがよくわからん。 ガトーとベンジャミンには一切の接点がなく割と意味不明。

 

いやまぁ百歩譲って時計の完成と同時に生まれたベンジャミンの時間が逆行する、まではいいです。 設定の開始時点をツッコミ始めるとSFはたいてい死ぬので。

 

で、どんどん若返るベンジャミンの人生を描いていくわけですよ。煽り文句としては「数奇な人生」を、です。

 

しかし前半は別に若返りが大きく意味するものがないんだなぁ。  

若返りがネタとして生きてたのは初めてソープ行った時の見た目老人なのに超絶倫話(実質17歳だから)と、デイジーとの生活以降。 物語後半はデイジーとの生活だから後半に意味があるんですが、後半もそこまで大きなテーマってわけでもなくて、ベンジャミンの最期の画が欲しいだけなのでは?と思ってしまったことは否めない。

 

むしろアメリカ人で初めてすごいバレエ団に入って、パリ公演行ってる最中に交通事故に遭って、年をとる度に若返るよくわからん男と結婚して、最後はその男の世話をしたデイジーの方が数奇な人生感ある。

 

突然謎に船乗りになる話も、ロシアのスパイの夫人と不倫する話も、太平洋戦争も、本当の父親が現れる話も、特に若返り関係ない。

 

 

そもそもこの話におけるベンジャミンは割と人生イージーモードなんですよ。

まず老人介護施設に拾われる+80歳スタート(1918年生まれ)のおかげで実質65歳くらいまではほぼ何もしてない。

で、若返ってだんだん歩けるようになってくるとちょっと手伝いをするけど、何故か意味不明に船乗りになる。 彼が何故海にロマンを抱いたかは不明。でもところどころ海に対する憧れっぽい描写が出てきます。

この時点で結構若返ってるけど、1941年の太平洋戦争時点で出生23年目、実質57歳。 1945年の5月に帰国してデイジーと再会するわけですが、この時点で実質53歳。

ちなみにデイジーはベンジャミンの8年後に生まれてるっぽい(ベンジャミン49歳時点でデイジー41歳)ので1926年生まれ。

 

流れをまとめましょう。

 

・1935年 ベンジャミン17歳(実質63歳)、デイジー9歳:ベンジャミン、突然船乗りになる。 デイジー「絶対現地から手紙送ってよね!」

・1935年〜1941年の間 ベンジャミン17〜23歳(実質63〜55歳)、デイジー9歳〜15歳:ベンジャミン、 ロシアのスパイの夫人と不倫。不不倫のくせに「愛を知った」みたいなことを堂々とデイジーに手紙で知らせる。 デイジー、この間にバレエを始める。

・1945年 ベンジャミン26歳(実質54歳。多分誕生日がまだ。)、デイジー19歳:ベンジャミン帰国、デイジーと再会。 デイジーが謎にベンジャミンを誘惑。ベンジャミン謎に拒否。

 

ここまでが前半で、ベンジャミンが色々なことに挑戦して色んなことを学ぶ話です。 さっきも言ったとおり、特に若返りが生きているシーンは特にありません。

 

この後も僕が覚えてる範囲でまとめていくと、

・年代不明 ベンジャミンは50代くらいの容貌(容貌があまり変わっていないので終戦後すぐor数年か?):本当の父親にカミングアウト+父親が病死で売れてるボタン工場をゲット。 いきなり金持ちになる。 ・年代不明 ベンジャミンが結構若返る(眼鏡が不要になり40代半ば〜後半に見える):ニューヨークにデイジーの公演を見がてら父親の話をしようとする。 父親が死んでから父親の話をデイジーにしにいくまでにそこそこ時間が経っています。

・ 年代不明 ベンジャミン超若返る(ブラッド・ピットがイケメンすぎてどう見たって30代を下回っているようにしか見えないが後述より30代後半以上):パリでデイジーが事故。バレエはもう不可能かと思われる。そしてそんな姿でベンジャミンに会いたくない。

 

(この間のベンジャミンさん)

ベンジャミン「老人ホームの手伝いとかして給料低そうに見えるじゃん?wwwwwwwでもねwwwwwww俺wwwwwwwwww父親の工場とか遺産で超金持ってるんすよwwwwwwヨットに乗ったりバイクに乗ったり女に乗ったりwwwwwwww女?1〜2人と遊んだよwwwwwwwいやwwwwww3人だったかもwwwwwwwwww」

 

・1962年 ベンジャミン44歳(実質36歳)、デイジー36歳:デイジーと再会

 

ここです。 ここまですれ違いにすれ違ってきた二人が実質同い年になる運命の年です。

バレエのダンサーの寿命を僕は知らないですが、この時点で怪我うんぬんよりデイジーすでに結構おばさんだからダンサー無理なのでは…。

 

ここからベンジャミンとデイジーの甘い生活が始まります。

・1967年 ベンジャミン49歳(実質31歳)、デイジー41歳:デイジー妊娠

・1968年? ベンジャミン50歳?、デイジー42歳?:デイジー、キャロライン出産。

 

 

この時点のベンジャミンのステータス

父親の工場と遺産で金持ち 若返るので体力・知力は増す一方 でも50年以上の人生経験はある ビジュアルはブラッド・ピット 

 

わかりやすく言えば現代社会における最強の存在となっています。

 

そして娘の生まれたベンジャミン。

「一緒に年をとる父親が必要だ」と言い放ち突然の失踪。

 

ベンジャミン結構クソ野郎です。

彼の言い分も一理ありますし、財産のほぼ全てをデイジーに残してるから責任は取ってますが結構なクソ野郎です。 しかもこの後全く姿を現さないかと思いきや10年後くらいに突然帰ってきて再婚したデイジーとワンナイトラブというクソっぷり。

 

 

そして多分この10年後くらいでしょうか。 ベンジャミンは見た目少年ながら認知症を患って記憶を失って元いた老人ホームへ戻ってきます。

 

この後はデイジーがベンジャミンを介護をします。 子供のように癇癪を起こしたり、わんぱくさで他人に迷惑をかけたり、そして歩けなくなり、言語も通じなくなり、 最後はデイジーの腕の中で死にます。 最後にデイジーを識別できたのかできなかったのか。 もはや赤子同然で話せもしないし意志の疎通ができないベンジャミンに確認することはできません。 でも最後にデイジーの顔をしっかり見た後に安らかに、眠るように息を引き取ります。

 

その数年後、デイジーも病院で息を引き取ります。 このデイジーの死が結構切なくて、台風が来て娘のキャロラインが病院で付き添っているのですが(ここでベンジャミンの日記を読む形でベンジャミンの人生が描かれる)、ベンジャミンの日記を読み終えると少し言葉を交わしてキャロラインが様子を聞きに部屋の外へ出ます。 その時にひっそりと、いつものように「おやすみ、ベンジャミン」と言って息を引き取るのですが、この後の病室からのカメラの引きがすごく切ない。 特に壮大な死の瞬間が描かれるわけでなく、台風でバタバタしてる病院の一風景として人生を終えるわけです。すごく切ない。

 

80歳で生まれてどんどん若返るというすごく突飛な設定なのに、その設定は割と普通の日常に埋没していて一部の人間たちのドラマでしかない。 そしてその突飛な設定には特別な意味などなくて、でもそんな設定だからこそ見えるメッセージがある。

途中までは「設定意味ねぇwwwwww」とか言ってたのですが、最後の方とかはなんかすごく感動してました。

 

自分で言うとすごくダサいですが僕は結構ドライな人間で、 お涙頂戴には一切心動かないんですよ。 ここまでの説明のようにいちいちツッコミを入れちゃったりして注意力散漫系なのですが、さすがに後半は割と感動しました。 なんで感動したんだろうってちょっと考えてたんですが、なんか既視感を感じたんですよね。

 

・突飛な設定 ・突飛な設定だけど展開は一部の人間だけのヒューマンドラマ ・突飛な設定だから見えるメッセージ性

 

あぁ、これkeyでも似た手法採られてるじゃん。 そりゃ涙腺ザルになるわ。

 

CLANNADからヲタク始まった僕としては価値観の根底のこの展開があるわけで、そりゃあもうね…。

 

 

 

結構key感覚えたのはキャロラインへの手紙の一節。

 

遅すぎることはなにもない。僕は早すぎか。 望みはきっと叶う。 いつ初めてもいいんだ。

変わるのも変わらないのも自由だ。 最高でも最悪でも、もちろん最高の方がいいが。

驚きを目にし 感じたことないことを感じて さまざまな価値観に触れて欲しい

誇りを持って生きろ

道を見失ったら 自分の力でやり直せばいい。

 

多分実質20代くらいのベンジャミンがキャロラインの誕生日に送った手紙なんですけど、 この内容もベンジャミンが旅で得たものだけじゃなくて、今までベンジャミンが出会った人物の人生も入っているんですよ。

 

英仏海峡泳断失敗を20代の時に経験し、その後挑戦することなく40代になってしまったロシアの夫人(しかもその後60代で泳断に成功する) 人にはない様々な経験をして「人は孤独」だと言い続け最後にどこかへ旅だった黒人。 船乗りの父親を嫌い、刺青アーティストになろうとしたが結局船乗りになり、船で最期を迎える船長。 そして事故によってバレエの道を閉ざされたデイジー。

 

ずるいんだよなぁ。 こういうの本当にずるいんだよなぁ。 鍵脳だからダイレクトなメッセージに弱いんだよなぁ。 しかもメッセージで伏線とかの暗示を入れてるやつとかずるいんだよなぁ。

 

key脳で、しかも江戸川乱歩的なのを期待してたから不意打ちくらった僕には結構来ましたが、 作品的には結構突っ込みどころや共感しづらいところもあって、多分人を選ぶんじゃないかな?

 

伏線なのはわかるけど、正直前半もっと削ってもいいような気はする。 なんか長かった。映画全体が長かった。

 

感動はしたけどもう二度と観ないかなぁ…

だってもう一回みたら多分泣いちゃうもの。 

 

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