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【書評】小林よしのり「ゴーマニズム宣言スペシャル AKB48論」~「王道アイドル」は死んだ~

      2015/07/13


記事中の画像は全てgoogle検索で拾ったものですが、著作権等問題があったら削除致します。

書評と言いつつもマンガです。


AKBについて論じる本はそこそこあるけど、この本の見どころは「あの小林よしのりが(良い意味で)キモヲタ丸出し」ということです。
ロングテールがどうだの総選挙システムがどうだの、本として出版する以上客観的視点は必要だと思いますが、キモヲタの僕としては「なんかカッコつけちゃってる」感がちょっと気に食わない。

元々小林よしのりと言えば自分の言いたいことをしっかりと言う人です。
戦争論とか、批判を恐れず自分の意見をはっきり言っていて清々しい(それで中国出禁になったのは有名な話)
そんな小林よしのりがキモヲタ全開(良い意味)で48系を語る。
アイドルにハマっちゃってる人ならどこか共感できる一冊。

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↑もはや僕が見ても険しいヲタク

本書で小林よしのりはやたら優遇しているメンとそうでないメンの差が激しい。
みるきーなんかはかなり思い入れがあるようですが、先日のスキャンダルは結構堪えた模様(NMB48みるきーに、よしりん翁として苦言:http://yoshinori-kobayashi.com/4093/)。
苦言感があまりない様子をみると、相当堪えてるんでしょうね。
何となくですが気持ちはわかります。

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↑これはさすがにショックでしょうね。

さて、AKBを全然知らない僕が気になったのは2013年の総選挙についての話。

小林よしのりは結構指原が嫌いらしい。
2013年の総選挙で指原が一位になったことについて

実はわしは指原にも「選抜には入ってほしい」と思い、表を入れていた。だが1位は望んでなかった。

和紙の考えでは、AKBのセンターは王道アイドルでなければならない。あくまでも「容姿」と、歌って躍るときの「パフォーマンス」と、スキャンダルを起こさない「純粋性」がその資格である。

―小林よしのり「ゴーマニズム宣言スペシャル AKB48論」より

だが指原は、ブスあつかいされ、いじられるヘタレだからこそ輝くキャラである。

指原は、本来選抜ギリギリの位置にいてこそ、遠慮なくかわいがられるのだ。1位でセンターになると、人々に経緯を払われてしまう。

幸福すぎる指原には、わしは感情移入できない。

―小林よしのり「ゴーマニズム宣言スペシャル AKB48論」より

可愛さが指原の魅力じゃあない!

ー小林よしのり「ゴーマニズム宣言スペシャル AKB48論」より

さて、指原以外に投票した94%のファンたちの中には、やはり、AKBグループの顔・センターは「王道アイドル」がいいと思う者は多いはずだ。

ただ、カワイイ子、個性のある子があまりに多くて、これで来年もしも、乃木坂46まで立候補できるようになったら、どうしても票が分かれて、「大衆アイドル」指原に有利になってしまう。

―小林よしのり「ゴーマニズム宣言スペシャル AKB48論」より

内容の真偽はさておき、酷い書きようである。

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↑もはや名誉毀損レベルw

「王道アイドル」という毒

AKBをあまり知らない僕としては「大衆アイドル」指原は応援すべき存在だと思っています。
何故か。

もはや「王道アイドル」なんて死んでいるからです。

これだけのアイドルが存在し、ネットの発展によって自分をアピールできる。そんな時代にいまだ「王道アイドル」などという型を持ちだしている方が不自然。
以前前田敦子のソロ活動について書きました(http://j-th0610.jellybean.jp/?p=155)。
断言します。
もしもAKBのヲタクの多くが「センターは王道アイドルであるべき」などという時代錯誤な型にはめようとしているのならば、前田敦子は「AKBのセンター」という型に個性を奪われた被害者です。

指原の、ヘタレでスキャンダルを起こしながらもバラエティで人気の取れるキャラクターは、アイドル戦国時代やAKBグループで生存するために研ぎ澄まされた才能です。

もはや「王道アイドル」という言葉はアイドルを殺す毒です。
小林よしのりが王道アイドルとして挙げている柏木由紀なんて、AKBを知らない僕から見れば「鼻の人」でしかない(ファンの方ごめんなさい)。
指原だってスタンスが王道アイドルだったら「ただのブス」としてしか印象に残ってないと思います(ファンの方ごめんなさい)。
つまり「王道アイドル」という毒の解毒に成功し、個性を発揮したからこそ指原は人気を得た。
人気を得たメンバーが評価されないのならば総選挙など即刻辞めるべき。運営の独断による予定調和の順位で十分。
まぁ僕が運営だったらきっと指原を1位にしているでしょうけど。

王道アイドル厨

指原は「王道アイドル」ではないから勝利した。
2013年の総選挙はまさに「王道アイドル」が時代錯誤であることを証明している。
それなのにまだ「王道アイドル」という時代錯誤な幻想をアイドルに押し付けるファンは、アイドルに「処女性」を押し付けているヲタと大して変わらない。
僕から見れば処女厨も王道アイドル厨も五十歩百歩です。

こう反論する人もいるでしょう。
「AKBは本気(マジ)のユニットである。だから本気(マジ)でない指原にAKBの顔であるセンターをやってほしくない。」

老害か!

確かに指原のスキャンダルは容易に許されることではないでしょう。
許す許されないという議論に入ると険しくなるので避けます。
しかし、スキャンダルを(ある意味)自力で乗り越えて人気を獲得した指原をどうしてそこまで否定するのか謎。
「もっとストイックに頑張ってるメンバーがいる」って、AKBレベルでそんなこと言う前に受験や就活制度を改善してください。

キラキラした存在から身近な個性ある存在へ

踊ってれば、歌ってれば、対応よくしていれば、可愛ければ、そんなのでアイドルが生き残れる時代ではありません。

アイドルは自分の強みを自分で押し出して自分をプロデュースしなければならない。
前田敦子はそこができなかった(もちろん他にも理由はあると思います)。
BiSのプー・ルイはそこに成功している。

アイドルのイメージは良くも悪くも「ステージ上のキラキラした存在」から「身近な個性ある存在」へと変わってしまった。
そう変えたのはAKBであるのに、AKBのセンターは未だに「キラキラした存在」を求められるのは皮肉なことです。

ゴーマンかましてよかですか?(やってみたかった)

前田敦子の失敗は、アイドルユニットのシステムだけでなく個人レベルでのアイドル像の変革が求めれていることを端的に示している。
古いアイドル像から脱却し成功した指原はアイドルのニュータイプとして評価されるべき。

全てを許容しろとは言わないが、願望や理想の押し付けはアイドルを殺す毒。
冷静に知識人ぶっている小林よしのりも指原の件に関しては暴走したファンと変わらない。指原でなければ謝罪レベル!そう、指原でなければ。

ゴーマニズム宣言スペシャル AKB48論自体はすごく良い本だと思います。

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