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サーモンと文明

   

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ブログ終了宣言みたいなことをした気がするが、そういうのは忘れることにする。

久々にブログでも書いてみようと思ったら文章の書き方を覚えていない。
なので今回はリハビリということにする。

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普段、なかなか「文明」を実感することはない。

知識としてはわかる。しかしそれは実感ではない。
身近なものも文明だとわかる。しかしそれは「便利」以上にはならない。

20年や30年の技術の進歩がすごいと言っても、日々の進歩は微々である。
つまり僕たちはそれを少しずつ享受しているためなかなか実感にはいたらない。

iPhoneがいかにブレイクスルーであっても、ガラケーやPC、wifiを知っていれば「文明」と言えるほどの実感はない。
もちろん知識としてはとんでもなくすごいとわかる。しかしそれは実感ではない。

 

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僕はサーモンを食べることが多い。
偏頭痛に良いと言われてから少し意識して食べるようにしている。あとオメガ何とか酸ってやつも気にしているのかもしれない。

何にせよスーパーでサーモンをよく買う。200〜300gくらい。

サーモンは刺し身だ。なぜなら僕は料理ができないので刺し身以上の料理は難しい。
そしてブロック(一般にはサクと呼ばれるらしい)で買う。なぜならそのほうが量単価が安いからだ。
近所のスーパーでは上記がだいたい300円くらいで買える。

家に帰り、トレイ(白い発泡スチロールみたいなやつ)に乗っているサーモンに醤油をかけて、そのまま食べる。”かぶりつく”と言ったほうがいいかもしれない。
えぇ・・・と思うだろう。しかしこれには合理的な理由がある。

包丁を使いたくないのだ。

まず包丁というのは危険だ。危ない。だからだめだ。
そもそもブロックのサーモンを切り分けようがかぶりつこうが、生は生。結局調理法としては変わっていないではないか。

なら洗い物を増やすだけ無駄。しかも怪我のリスクも回避できる。
ここまで合理的だとむしろ包丁を使う理由を示してほしいが?

 

そんな「サーモンのブロックにかぶりつくマイブーム」は、ある日を境に疑問に付されることになる。

職場でサーモンブロックかじりつきマイブームについて話したとき、予想以上に笑われた。
面倒だから包丁を使いたくないというのはある。そこは認める。僕がずぼらだった。しかしそんな笑うほどか?
「刺身用」って書いてあるんだぞ?包丁を使わないことについてはこちらの方に理がある。立証責任があるのはそちらだが?

しかし僕も大人だ。
頭をかしげながら家に帰り、少し考えてみて、自分について一部過ちを認めた。

つまり、

・野生の熊にサーモンのサクを与えたとき
・僕にサーモンのサクを与えたとき

この2つの光景を想像すればわかる。
「醤油」「箸」の2点を除けばその他の行為様式は熊と同じなのだ。

これは笑われても仕方がない。なるほど、一理ある。

 

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そして数日が経った。
僕はまた脳死でサーモンのサクを買っていたのだ。

家に帰り、喜々としてサクを取り出す。
なかなか魚、しかも生の魚というのは食べられない。喜々とするに決まっている。

そして見つめること数秒。野生の熊を思い浮かべる。そして自分に問う。
今から実行しようとしていた食べ方は21世紀の食べ方だろうか?
同僚の笑い、えぇ〜という引き気味のリアクション、戸惑う僕・・・

「あなたが死にたいと思った1日は誰かが生きたいと思った1日」にはあまり賛同できないが、まぁでも令和に生きてるんだし文化的な生活くらい享受したほうがいいのかもしれないなと今なら思う。

つまり、僕もいい年なのだから少しはそれらしく生きなくてはいけないのかもしれない。

早速スマホを取り出す。

「刺身用 サーモン 料理」検索。

難しそうな料理ばかりだ。ムニエル?なんたら風?そりゃ無理だ。

しばらく探すと良さそうなものが見つかった。
アルミホイルの上にサーモンを乗せ、マヨネーズを塗り、トースターで10分ほど焼く。

簡単だし、何より洗い物が出ない。だってアルミホイルは実質皿だし。

 

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さっそく試してみる。

明らかに5分くらいでマヨネーズがバチバチ言ってる。やばい。
10分って書いてあったけどやばいのでは?これ。

生焼けでもよくないか?そもそも生で食べようとしてたし問題ないでしょ。

適当に胡椒とかかけて食べてみる。

 

美味すぎる。

 

端的に言うなら文明の味がする。

調理とかひと手間加えたとかそういう話ではない。
野生の熊と同レベルだった食事が、文明によって味付けされてここまで美味しく感じるとは思いもしなかった。

まさに「文明を実感した」のだ。

 

勘違いしないでほしいが、トースターとかアルミホイルが文明という話をしているのではない。

人類という弱い種がどうやって他の生物を押しのけることができたのか。
答えは火である。

つい昨日まで太刀打ちできなかった動物を火で追い払ったときの気持ち。
狩猟で手に入れた成果をそのまま食べていた人類が火を使って温かい食事を手に入れたときの気持ち。
それが今、実感として湧き出てくる。

何にせよ、大切なのはこんなくだらないことで感動して1年半振りにブログを更新するということだ。
「サーモンを やいてみたら おいしかったです」くらいの話がちょうどいいよインターネットは。

 

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何のオチも文章だがリハビリにはちょうどよいと思う。

 

 

サーモンとか文明とは一切関係ないが、1ヶ月前くらいに全然違う場所で記事を書いた。
本職はライターでもないし編集でもないのだが、一応慣習っぽく(今更ながら)宣伝しようと思う。

※情弱なので埋め込み方がわからない

 

その美しさに、僕は、人間は、死んでしまう」東方思い出の一枚 石鹸屋『TOHOHUM』 – 東方我楽多叢誌
https://touhougarakuta.com/music-review/20191113

この記事にまつわる感動的な話があるのだが、書くなら気合いを入れないといけないので気が向いたら。

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