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【ヲタク用語集】ハイコンテクスト/ローコンテクスト

      2015/07/13


コンテクストとは:文脈という意味。現代に限らず、アイドルの特性を説明するのに好んで使われる。

アイドル評論本なんか読むとかなりの割合で出くわす「ハイコンテクスト、ローコンテクスト」という言葉。
ハイコンテクストは文脈の存在が強いこと、ローコンテクストは文脈の存在が弱いこと。
文脈っていうと何か高校の現代文を思い出しますが、要は「出来事が継続または関連して背景に存在している」みたいな解釈でいいと思います。

元々は言語レベルを超えた共通感覚みたいな感じらしいです(http://www.pan-nations.co.jp/column_001_005.html)が、アイドル文化に関して使われる時は上記のような意味で使われます。
なのでアイドル文化について話す時、さらっと「アイドルはハイコンテクストな文化だから~」とか言うとサブカル文化人気取れておすすめ。僕は目の前で言われたら軽く引きますが。


アイドルはハイコンテクスト。アイドル個人やグループの背景にある物語をも楽しむことができる。スチームガールズの神谷えりなの話なんかは最近結構取り上げられてますね。
他にも、色々な意味で話題になった前田敦子の「私のことは嫌いでもAKBのことは嫌いにならないでください」という発言は、その前の総選挙で前田敦子が負けたことやネット上で死ぬほど叩かれてるという背景も合わせて語られるから話題になった。そういう感じ。

逆にローコンテクストはEXILEとか。
プロとしての歌とダンスで一時は日本のエンタメ界を掌握するところまで行ったのは懐かしいですね。
歌もダンスもしっかりしてるからもうそれだけで十分。補完的な物語なんていらない。そんなものなくてもパッと見たり聴いたりするだけでその素晴らしさがわかる。

完結してしまった物語としては、あれだけお粗末な曲でも未だにSEX PISTOLSやシドヴィシャスの人気があるのは、音楽性よりもむしろシドやピストルズの背景にある物語が好まれてるからでしょうね。

いつも思うのは「ハイコンテクスト」って歌やダンスが素人芸なことへの免罪符として機能してると思うんですよね。

だから「アイドルの楽しみ方はK-POP等と違って文脈”をも”楽しむことができる」っていう表現ならまだいいですが、「ハイコンテクストだからいい。歌やダンスが未熟だからより良い。」みたいな逆説的正当化には疑問です。
もちろん僕だってアイドルがアーティストだとは思っていません。歌やダンスが素人芸に見えてしまう人がいるのもわかりますし、素晴らしい歌やダンスをアイドルに求めるのは正しい楽しみ方だとは思いません。
ただ、それらの未熟を「ハイコンテクストだからむしろ良い」みたいに正当化するのは違うと思うんですよ。

AKBのパフォーマンスが素人芸と言われることに対して、「AKBINGO!」のプロデューサーの毛利忍が

テレビ業界以外の知人からは時々「K-POPと比べて、レベル的にどうなの?」と聞かれることもありますが、分かってないな、と(笑)

K-POPが完成品だとしたら、AKB48は完成に向かう発展途上。派生ユニットも含めて、これから先どうなっていくかわからない。そこに居合わせることができるのが、エンタメとしてのAKB48の新しさだと思います。

うれピアより

って言ってたらしいです。
半分くらいは言いたいことがわかります。レベルの話を聞いた人はアイドルとアーティストが混同してるんじゃないかと思います。その点では確かに分かってない。
ただ、未完成の品を出して「これからどうなっていくのかに居合わせる商品です」ってドヤっちゃうのも微妙。

アイドルヲタクの多くは推しのパフォーマンスの上手さに確かに拘らない。上手でも下手でも推したいなら推す。
ただ、ヲタクとしても一般人としてもダンスや歌が下手なところにハイコンテクストを求めていないと思います。もちろん「上手くなろうとして努力している物語」は応援したくなりますが、別にそれは下手でなくても同じ。
AKBが売りだした時は今ほどアイドルが多くなかったので下手でも「ハイコンテクスト」って呪文唱えておけばよかったのかもしれませんが、今これだけアイドルがいる中で「未熟なのはハイコンテクスト」って言ってたらよほど才能ないですよ。

 

でも多くの評論家によれば、アイドル(少なくとも48系)は未熟なパフォーマンスの中に物語を楽しむものらしいですよ。
僕も「分かってないな、と(笑)」って言われちゃう><

 

共有される物語は確かに一つの魅力だけど、ヲタクがヲタクたる大きな理由なのか。
むしろ握手等によって個別に進む物語の方が求められてる印象があります。
個別に進む物語の方が価値が高いから、パフォーマンス重視のユニットでも全く問題ない。もちろんパフォーマンスがダメでも問題ない。
それならむしろパフォーマンス良い方がライブ中も楽しいから通いたくなる。
別に僕はパフォーマンスで推しを決めませんが、パフォーマンスが下手なユニットがバラード歌うとどうなるか想像つきます?
ましてや初めて見たのがその素人芸バラードだったら客を囲えるでしょうか?
そう考えると、今において素人芸はマイナス。改善できる部分は改善してからリリースしないと他のアイドルの劣化版でしかない。BiSのように「ただの劣化版でない」売り方もあるとは思いますが。

勝手な意見を言うと、アイドル界を上から見て「ハイコンテクスト(ドヤァ」してる評論とかが多い気がします。ハイコンテクストだけではないですが。
アカデミックというか、職業だからしょうがないとはいえ、どうしてそんなに論理的に辻褄合わせたがるのか謎。その結果実際に起きてることと微妙にずれる評論展開してることが多い。
自分も観測範囲内だけでドヤってるところあるので言っててちょっと申し訳ないですが。

上から見てハイコンテクストだのロングテールだの語るのもいいんですけど、もうちょっと下から(ヲタ視点から)アイドルの魅力を説明する本とかないんですかね。
誰かにアイドル文化の素晴らしさを語ってその人が興味持ってはまった時、大半の人は「アイドルヲタク」になるわけじゃないですか。一部は業界人かもしれませんが。
で、普通のヲタク視点から見れば前述のとおり、ハイコンテクストかなんて割とどうでもよくて、握手会で個別の物語を進めていって、ライブでジャージャーするわけじゃないですか。
じゃあ本当に求められてる「アイドル文化の素晴らしさ」って何かって、むしろそういうところだと思うんですよね。
アイドルを宗教学や経済学の観点から分析した評論よりも、「アイドルヲタク入門」や「ファンとしての楽しみ方」みたいなものの方が求められてるはず。

このブログはそんな考えで運営されています(ドヤァ

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