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グローバルもいいけど、ちゃんと探せば日本もまだまだ面白いと思うよ

書評:宇野常寛「日本文化の論点」

      2015/07/13


昨日読み終えた本の紹介でも。

宇野常寛「日本文化の論点」(ちくま新書)

 

以前の記事でドヤ顔で引用しながら実はまだ読み終えてなかった感じやばいですね。


この本は、今までの日本を動かしてきた政治やマスコミとかの<昼の世界>が機能不全に陥って、サブカルチャーやインターネットという<夜の世界>が台頭する。
それをインターネットとか都市とかAKBを絡ませて未来の姿を描いていく、というのがざっくりとした要約。

正直、革命的なこと、衝撃的なことは書いてないです。
ただ、この本で指摘されていることは現実を直視している。今の日本に起きている現象をそのまま批評している。ただそれだけなので別に驚くことは書いてませんが、しっくり来る。
むしろ今の日本に起きていることを異物なしに批評できているものなんてあまりないんじゃないんでしょうか。

僕は「未来の日本」とかそういう大きなレベルで創造的なことは考えられません。
なので、この本の中に書いてあることで気になった文やフレーズを抜粋していきます。
手抜きブログですね。勘弁してください。

以下、

による引用は全て、宇野常寛「日本文化の論点」(ちくま新書)となります。

 

有史以来はじめて日常的に「書かれたもの」でコミュニケーションをとっている。

特に大したことはないですね。言われれば「確かに」くらいの感想しかない。
ただ、今起きている現象を表現しただけ。何も間違ってないし、驚くことでもない。
そんな当たり前の何も違和感のない、でも確かに起きている変化を批評していくのがこの本。
この一文は端的な例です。

 

この種の議論(日本のサブカルチャーを海外にどう輸出するか)が陥りがちな罠―それは国内のマンガやアニメやゲームというソフト「そのもの」を輸出してしまおうとするところにある、と。では何を輸出すればいいのか。それはソフトウェアではなくハードウェア―作品そのものではなく作品を楽しむ(消費)環境そのもの―マンガやアニメやゲームではなく、コミックマーケット(コミケ)やニコニコ動画といったコミュニケーションのインフラそのものに他ならないのだ、と。

いきなり途中から抜粋されると意味わかりませんが、要は「コンテンツだけ輸出してもそれを育ててきた日本特有の背景(インフラ)がなければ意味がない」ということです。
それは非常に納得できます。僕自身、そう言った文化に身をおいてた過去のある人間なので非常によくわかります。
コミケ(2次創作)やニコ動という共有の空間におけるコミュニケーションがそれらコンテンツの楽しみ方を増大させてきた。そしてそれらはネットと親和性が高い。

しかし、そう考えるとアイドルの現場というのはまさに「コミュニケーションのインフラである」と言えるでしょう。
僕たちはただ適当にジャージャー言っているのではありません。あれは言語化できない「魂のコミュニケーション」だったのだ。今ならそう思えます。

 

コンテンツをただ「受け取る」だけの快楽(映画を観る、本を読む、音楽を聴く)が中心だったポップカルチャーに、消費者の側が「打ち返す」「参加する」快楽が大きく付与したことです。

参加するポップカルチャーというのは非常に重要だと思う。
ただ、宇野さんはAKBのシステムの民主化(総選挙や意見)を以って「消費者の参加」を説明しましたが、アイドル全般に関して言うならば消費者の参加はそこではないと思います。
もちろん総選挙や運営への意見、握手会自体も消費者の参加ですが、消費者(ヲタク)がアイドル現場において最も参加の意義があるのはライブです。
ヲタクがアイドル現場に貢献できるのなんて、物販やCDの売り上げとライブを盛り上げることだけです(総選挙は48系特有のゲーム)。
AKB論的な批評って、必ずと言ってもいいほど「ライブを作る(盛り上げる)のはヲタク」という視点に欠けている。

だから「アケカス(AKBヲタの蔑称)は雑魚」とか言われる皆さんライブに「参加」して、ライブを作りましょう。

作り方は前回の記事(http://j-th0610.jellybean.jp/?p=49)参照。

 

ほぼ素人の女の子が毎日劇場公演を行い、それを観たファンがブログや2ちゃんねるやツイッターに感想を書き込む。これはもう消費者の自主的な行動だから抑制のしようがない。しかし、これが結果的にマスメディアに頼らなくても成立するアイドルグループが生まれることになった。

AKBの強さってここにあると思うんですよね。
CDの売り上げによるオリコンチャートのランキングは道具でしかなくて、ファンが「勝手に盛り上げて」育った。
多くのアイドルユニットがAKBの特典券商法を真似してオリコンチャートのランキングを狙うという「外側」ばかりを模倣していますが、大切なのはそこじゃない。
運営がファンをコントロールするのは無理かもしれませんが、ファンが盛り上げるように誘導することくらいはできる。
はっきり言って、接触アイドルの多くに運営の怠惰が見られます。「CD買わせとけばいい」みたいなスタンスが本当に目立つ。小手先の工夫しかしていない。
本当にこの小手先の工夫は無駄。

小手先の工夫なんかしなくたってヲタクはCD買うんですから(白目)

だから運営の方たちはどうやったら盛り上がるか、少し考えてもらえると嬉しいですね…。

 

 恋愛禁止条例を撤廃し、プレッシャーを緩和することを提案したいと思います。

今回の「丸坊主事件」の背景には、このメンバーが「解雇されたくない」という一心で、少しでも誠意を示そうとした結果だと言われています。

誰のことかは一瞬でわかりますね?

この件についてはまとめてみたいですね(いつか)。
僕達が可愛いアイドルに高まっちゃうように、アイドルだって芸能界のイケメン見たら高まっちゃうと思うんですよ。
「アイドルなんだから」っていう気持ちはわかりますが、本当のファンなら幸せな恋愛を応援してあげるくらいの心の余裕は持ちたいものです。

ちなみにこの恋愛禁止条例、よく「アイドルは恋愛禁止」という捉え方がされますが、この本では「恋愛が発覚したら」という条件で書かれています。
大切なのはアイドルが「恋愛しない」ことでなく、「恋愛していないという幻想を与えること」なんですね。わかりやすい。

 

他にも興味深い指摘はたくさんあるのですが、ステマだと思われても嫌なのでこれくらいにします。
面白い本なので是非読んでみてください。
ポップカルチャーやウェブカルチャーに興味ある方、「最近のカルチャーにはついていけない」って方は特に。

ついでにこれを読んでからPLANETS vol.8を読むのがいいと思います。
「思います」っていう表現を使ったのは僕がPLANETSから読んだからです。

うん、宇野さんのステマだと思われてもしょうがないブログになってしまったな?

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